安本直弘四谷散歩みくに書房1989
大木戸かいわい
P.47 大木戸花街 大正11年頃、大国座裏に三業地が開かれた。場所は以前ここにあった理性寺の墓地跡で、地元の有力者が土地をつくり、花柳界を誘致したのである。一年後には待合・料理屋・芸者屋、合わせて五十数軒。芸妓六、七十人の花街が出現した。開業間もなく感動大震災があって、下町方面が消失したので、震災後一時は、百五十人を超す芸妓が登録されていた。戦後は料亭・芸者屋二十数軒。芸妓四十名ほどに復興したが、今は料亭が数軒と、すっかり寂れてしまった。