石井英也景観形成の歴史地理学関東縁辺の地域特性二宮書店2008
下総国海上郡高神村における紀州移民の動向

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17世紀に入る頃、房総半島では、紀伊、和泉、摂津をはじめとする関西からの漁民の出漁が盛んに行われるようになった。
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このような関東への出漁の要因としては関西の漁民が相対的に先進的な技術を持ち、地元漁場の利用が飽和状態に達していたことの他、特に畿内における綿作の肥料として干鰯が重視されたことが指摘されている。
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こうした状況の中、高神村(銚子の南東)に紀州移民が進出し、万治元年(1658)、次郎右衛門が戸川を漁場として開き、町割りがなされ、紀伊などから多数の漁民が来往するようになった。