今回は、田川(福岡県田川市)の町並みと風俗を散歩します。
香春岳は、五木寛之の自伝的な大河小説「青春の門」の舞台となった山です。
筑豊編では、主人公の信介が”せんずり”を教え込まれる場面など数多くの性的描写が登場します。

南寄りの峰から一の岳、二の岳、三の岳とつづきます。

JR日田彦山線の香春駅を下車すると、駅前には、貝原益軒(1630-1714)が書いた紀行文「豊國紀行」の一節を彫った石碑があり、石碑の向こう側には、一の岳が見えます。

三の岳頂上から見た二の岳。左側にわずかに見える白い部分が、石灰岩の採掘で山容が変わった一の岳です。

――――――――五木寛之「青春の門」冒頭部分の抜粋――――――――
香春岳は異様な山である。けっして高い山ではないが、そのあたえる印象が異様なのだ。標高にくらべて、実際よりはるかに巨大な感じをうけるのは、平野部からいきなり急角度でそびえたっているからだろう。雲の低くたれこめた暗い日など、それは膿んで崩れた大地のおできのような印象を見る者にあたえる。それでいて、なぜかこちらの気持ちに強く突き刺さってくる奇怪な魅力がその姿にはあるようだ。