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2階部分には、酒屋でみかけるような看板が並んでいます。「くだり腹とめヘルプ」「浅田飴」「家庭染料みやこ染」
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みやこ染のホーロー看板。
「みやこ染め」は、明治時代に創業した染料商(桂屋)のブランド名で、都(東京)に由来しています。みやこ染の「こ」の字体は、明治まで使われていた旧平仮名(変体仮名)をそのまま引き継いでいます。*1
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桂屋の染料は衣類、とりわけ着物、背広、軍服などの家庭での染め替え需要に大いに合致し、染料の種類も綿や絹から毛にも染まるものに広げていきました。衣類の染色は家庭の嗜みとして、学校の家庭科教科にも取り入れられるほどでした。*1
昭和16年(第二次大戦勃発の年)の広告には、「私達銃後の女性は、まず廃品を活かして生活の無駄を省くこと。誰にも手軽にできる廃品衣服の更生は、みやこ染めで染め替え。二度のお役に立てることです。」と、染め替えがお国へのご奉公であることが述べられています。*2
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