風きよし: *古今東西風俗散歩 (トランスワールドジャパン,2012)歩いて知る日本の大衆文化史 ···外部リンク···

著者(風きよし)が独自の目線で書いた散歩本。 (さらに…)

歴史散歩、文学散歩、グルメ散歩、路地裏散歩など、“散歩”には、いろいろな種類があります。
本書は、「風俗」をテーマにした散歩の案内書です。
「風俗」というと、最近では“フーゾク(性風俗)”を真っ先に思い浮かべるかもしれません。もちろん本書がテーマとする風俗も”性風俗”が中心になっているのですが、元来、「風俗」という言葉には、生活文化や慣習という意味で使われていました。
わたくし達の生活文化・慣習は、日々の生活空間の中に息づいています。
たとえば、
 ①毎朝、自宅(家庭)から職場へ出勤しする。
 ②仕事が終わると自宅(家庭)へ戻る。
 ③(たまには)飲み屋などに立ち寄る。
 ④休日には、郊外へ出かけるなどして余暇を楽しむ
という生活の一コマつ一コマが慣習となり、それが生活文化(=風俗)を形成していると言えます。
一言でいうと、風俗とは、身の回りの社会や文化や歴史を考えてみるときに、どのような点に着眼するか、その目線のことだと私は考えています。*1
本書では、風俗という目線で全国各地を散歩します。
第一章では、明治~戦前の遊里跡、第二章では、戦後~現在の繁華街を散歩します。ここまでが言うなれば「基本編」です。第三章のトルコ風呂跡、第四章のラブホテル街は、社会や文化や歴史を考えるうえで必要であると思い、選定した「応用編」とも言えます。そして、第五章の住宅街と第六章の郊外・農山村は、独自に選定した思い切った切り口の「特別編」です。私が考える風俗的な目線については最後(終章)にお話ししたいと思います。
散歩は、自分の足で歩き、五感を通じて町の歴史や文化に触れることができます。
ぜひ、本書を参考に自分なり“目線”を持って町並みを歩いてみてください。
【参考文献】
*1 鳥越皓之:民俗学を学ぶ人のために(世界思想社,1989)P.4-P.5