林順信: *東京路上細見2 (平凡社,1987)日本橋・人形町・銀座・築地・佃島

佃島の由来を簡単に記しておこう。徳川家康が天下人となるに及んで、佃村の漁民を江戸に招き、海川漁獲の許可を与えた。江戸湾の中にできた天然の寄州を整備して100間四方の佃島が誕生した。家康は自分の息のかかった佃村・大和田村の漁民に漁業権を与えた代わりに、海から江戸を攻める者がないように、いわばお庭番と同じく、海辺の警備も兼ねさせたのではあるまいか。
佃島は、関東大震災にも第二次世界大戦にも被害を免れた。昔ながらの下町の面影を残す地域として、根岸や浅草橋場などともに貴重なところである。