流山市立博物館友の会東葛流山研究 12号流山市立博物館友の会1993.11.25
山本鉱太郎松戸平潟遊廓物物語

三池の屋号のいわれはわからないが元は九十九楼と言ったという。平潟神社に、大正14年6月に奉納された防火用水には、「奉納 九十九楼 岸部慎太郎」と刻まれている。
創業者の内田慎太郎さんは、早稲田の商学部を卒業した後、建材店をやったのちに、淀橋銀行の頭取をしたり、淀橋区長まで務めたが、ある時、人に勧められて松戸の平潟に店を持ち、長男の妻ハナさんに店を任せたのだった。通称「岸辺慎太郎」と呼ばれ、平潟神社の防火用水や神社修繕の碑にも「岸辺慎太郎」と刻まれているのは、世をはばかっての名であろうか。妻は「岸部はな」といい妻の姓をとったものと思われる。