近藤正一 中村遊廓における建築計画の類型 日本建築学会 日本建築学会計画系論文集 通号488 P.203-P.210 1996.10

3.中村遊廓の都市計画

P.205 廓の構造は、島原や吉原などと同様、縦1本、横3本の大通りを持った三筋構造を基本とし、さらにその外周を建物で取り囲み、四隅には廓の中心へ向かう斜めの道を配している点が特徴的である。従来の遊廓では廓では廓の入口を限定することによって囲郭性をもたせていたが、この方法を採ることによって、中村遊廓ではすべての道を廓外に接続しつつ、外界と明確に分離している。

4.中村遊廓の一般的妓楼

P.206 中村遊廓において、当時の構造を残していると判断される建物は40件。 P.205 図6 中村遊廓配置図(「粂野仙人 祝喜中村遊廓見取り図」などをもとに作成)に当時の構造を残していると判断される建物の位置。