江戸川区一之江境川親水公園地誌(一之江境川親水公園沿いに設置されている案内板より)江戸川区
富士塚

火山の持つ激しさを自然の脅威の象徴とみて、富士の山霊信仰が生まれたと考えられます。江戸時代中期に食行身禄(じきぎょうみろく(1670―1733))という行者があらわれて庶民にこれを広め、やがて富士講という集団が各地に生まれて、富士信仰の飛躍的な発展みました。そうした富士信仰の一形態に、富士山を模した人工の山を礼拝するものがあります。富士塚と呼ばれる小さな築山で、ここに登れば富士登拝と同じ霊験が得られるといいます。江戸末期から明治時代にかけて関東各地で築かれ、江戸川区では特に盛んでした。日枝神社境内にある「船堀の富士塚」(江戸川区登録有形民俗文化財)は明治25年に地元の登山講によって築造されています。