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イチョウの精子の発見 リンク

平瀬作五郎のイチョウ精子発見の記事は、明治29年(1896年)10月20日に発行された植物学雑誌第116号に載っている。イチョウの花粉は、雌の木で成長し、運動する精子を形成するというものである。イチョウは裸子植物であるが、裸子植物・被子植物では通例精子を作ることはないので、それより下等な植物の形質を持っているという点である。すなわち、海で始まった生物が精子を作るのは、下等生物では普通であるが、陸上での繁栄を始めた高等植物ではそのような性質を失っているので、イチョウではあたかも生命が始まった海の記憶を留めているということができる。

平瀬作五郎のイチョウ精子発見記事の載った次の号である、明治29年11月20日刊行の植物学雑誌第119号に池野成一郎のソテツ精子発見の記事が載っている。「かねてより、ソテツでの受精を研究していたが、平瀬氏が前号でイチョウについて述べたように、ソテツでも精子が形成されることを確認した。