駅から信濃川を渡った稲荷町に、湊稲荷神社があります。
伝承によれば、男の方は右の高麗犬、女の人は左の高麗犬を、願意(ねがいごと)を心にねんじながら回し、祈願したといわれております。
高麗犬の台座は回転する仕組みになっていて、実際に手で回すことができます。(けっこう力がいります。)
和船の出入りで新潟港がにぎわっていたころ、港に入る船の船乗りは花柳界に遊び、その夜、遊女に送られて船に帰るのが新潟の風俗でした。
遊女たちは、毎夜船乗りが遊びに来てくれることを願い、夜中、ひそかに湊稲荷神社に行き、
社頭の高麗犬の頭を西の方に向け、西風が吹いて港口が荒れ、
海がしけて船が出帆できず、船乗りが夜ふたたび遊びに来てくれることを祈りました。