松阪には、西の廓・東の廓の二ヶ所がありました。西、すなわち松阪の入口を川井町(かわいまち)、出口すなわち東を愛宕町といいました。双方ともに参宮街道(旧伊勢街道)沿いにあったため相当賑わったようです。特に川井町の方が町全体が遊廓で、一丁目から三丁目まで旅籠屋と遊女屋が街道の両側に向かい合わせ並んでいました。明治十年頃の遊女屋は大小合わせると20軒ほどでした。*1
松阪は戦災にあっていないため、川井町は、わずかではありますが昔のよすがを見ることができます。*1
琺瑯(ホーロー)看板のある酒屋さん。
逆方向(北西側)から。
【参考文献】
*1 中沢正:遊女物語(雄山閣出版,1971)P.184-P.187