千葉市中央3丁目から4丁目にかけては、千葉市花柳界の代名詞になっている蓮池があった場所です。*1
木更津街道から来る大通りが銀座通りと交差するあたり、明治22年創業の刃物専門店があります。
刃物専門店前の歩道に「蓮池の碑」があります。「蓮池の碑」は3度の移転を繰り返し、現在の場所にありあます。
この碑面には、徳田秋声の傑作「縮図」の一節が刻まれています。「蓮池の埋め立てだという蓮池の花街は、駅から二丁ばかり行った通りにあった。その辺には洋食屋かカフェ、映画館もあり、殷賑(いんしん)地帯で、芸者の数もいま銀子のいる東京のこの土地と甲乙で、旅館料理屋兼業の大きい出先に、料亭も幾つかあった。...」*2
裏面には、蓮池由来記が書いてあります。「蓮池とは千葉市花街の代名詞であり、現在大千葉市中心吾妻町商店街として栄えております。その昔は広い蓮田を次々と埋め立て料亭、待合、芸妓置屋等が建ち、ここのみが三業の許可地として年を遂うて繁栄を極めるに至りました。...」*2
【参考文献】
*1 財団法人千葉市文化振興センター:(カルチャー千葉36号)P.30-P.33「花街の碑のゆくえ」
*2 松谷富彦・小池淳達:蓮池・女人聞き書き抄 (吾妻町青蓮会,1978)P.89-P.96 付録の地図「昭和10年頃の蓮池周辺」