仙台駅の北側に、通称X(エックス)橋と呼ばれる橋があります。X橋は、明治22年の鉄道開通で分断された東側の鉄砲町と二十人町、西側の元寺小路と名掛町の二本の通りを一本で結ぶ橋として大正7年に完成しました。正式には宮城野橋といいますが、そう呼ぶ仙台市民はほとんどいないそうです。*1
敗戦直後、仙台にも米軍が進駐し、元の小田原遊郭に米兵用の慰安施設(RAA「特殊施設協会」)が開設されました。まもなくRAAが閉鎖されると、慰安婦たちは、どっと街は出てきて、いわゆるパンパンガール(街娼)となって、X橋の周辺に集まるようになりました。*1*2
平成10年(1998年)、「アエル」(写真中央の構想ビル)の建設によって、付近の様相は一変しました。*1
付近には風俗関連の店も数軒ありましたが、建物は残らず撤去され、開発が進んでいます。
「アエル」の展望台から見たX橋(写真下部)。周辺の開発が進んでいるのがよくわかります。
X橋自体も、都市計画道路の一部として架け替えが予定されていて、完成すれば広瀬通りとほぼ同じ幅員40メートルで仙台東部に達することになります。*1
【参考文献】
*1 小野幹,高橋こうけん:40年前の仙台(無明舎出版,2010)P.42,P.72
*2 熊谷達也:懐郷(新潮社,2008)「X橋にガール」P.242