今回は、祇園(京都市東山区)の町並みと風俗を散歩します。
八坂神社の南楼門から始まる下河原通りには、高級料亭や料理旅館が並びます。
慶長10年(1605年)、北政所(きたのまんどころ)が夫の豊臣秀吉の菩提を弔うために高台寺を創建、舞芸に達者な女性がこの地召し出され、のちに下河原遊廓となりました。下河原遊廓は、明治に廃絶しましたが、現在もこの界隈に料亭、旅館が多いのはその名残です。*1
下河原の舞芸者は、白拍子の流れを汲む者たちで、彼女たちは高台寺の家来の扱いを受け年貢などは免除されていました。*2
下河原通りの中間あたりに、石塀小路の入口があります。
お茶屋、料理旅館、料亭、スナックなどが建ち並ぶ路地です。石畳の道は風情があります。
この小路の誕生は大正初期。石原裕次郎ら芸能界、歌舞伎役者、医師、室町の旦那らが出入りしました。*1
【参考文献】
*1 小学館:ビジュアル・ワイド京都の大路小路(小学館,2003)P.266-P.267
*2 加藤政洋:京の花街ものがたり(角川学芸出版,2009)P.145