本橋信宏: 高田馬場アンダーグラウンド (駒草出版株式会社ダンク出版事業部,2019)

P.128 グリーン企画は、大手取次を通さず書店に持っていく「直販本」というヌードとエロ記事が載った雑誌を出版し、後にビニール包装したエロ本、いわゆるビニ本出版社として名を成す。グリーン企画の入る原田ビルマンションは、高田馬場駅からほど近い早稲田通りに面した雑居ビルだった。1階はやきとり屋や定食屋がのれんを出す庶民的な雰囲気で、二階に公衆浴場があった。301号室はグリーン企画、隣の302号室にはセルフ出版があり、自社のビニ本ショップ「セルフの店」も1階で営業していた。 P.147 原田ビルマンションは取り壊され、成城石井が入る巨大ビルに生まれ変わった。 P.150-P.152 70年代半ば、明石賢生という青年が高田馬場の神田川に近いアパートの一室で、エルシー企画という小さな出版社を創業した。70年代半ば、一冊500円のエロ本を商品にした自動販売機が建物の陰や道端に置かれていた。これらのエロ本を自販機本と称した。店員の前で恥ずかしい思いをしてエロ本を買う気苦労もせず、いつでも買えるところが重宝がられた。エルシー企画から出ていた自販機本「Jam」は、山口百恵の家から出るゴミを収拾して中身を公開して大騒ぎとなった。漫画家を引退しようとした蛭子能収(えびすよしかず)を復活させたのも「Jam」であった。