港町から 第2号 (特集:浦賀・横須賀)港町のタウン・マガジン街から舎2009.4
性神にして航海神・・安房口神社・御神石の不思議菅谷正明

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安房口神社は性神である。もともと安産信仰の対象となっていたのは、この神石だけではなかった。明治の末までは長さ一尺五寸、径六寸の二つの陽石が現神石の前に祀られていた、というのである。そして、近郷の産婦がそれを借りて帰り、抱いて寝ると安産だったというのである。とすると、現在ある神石はもちろん陰石であり、穴のある形状は明らかにそれを示している。残念ながら陽石は今は見ることができないが、御神体は陰陽二元の神のかたわれだったわけである。
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興味深いのは安房口神社の御神石と相対峙するようにもう一つの御神石が房総半島館山市の洲崎(すのさき)神社に存在することだ。三浦半島と房総半島の二つの御神石は互いに向かい合って、阿(安房口神社)吽(洲崎神社)の石だと、洲崎神社の石碑が語っている。

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浦賀(安房口神社)もともと安産信仰の対象となっていた性神。