山側に平入りの母屋、道をへだてて海側に妻入りの舟屋がならびます。母屋のまん前の舟屋が同一人物の所有です。*1
海の中に建てられているように見える舟屋は、実は水際ぎりぎりに建てられ、舟をひきあげやすいように、地面が斜めに切り取られており、海水が2メートルほど中まで入り込む構造になっています。*1
舟屋は、舟や漁具の格納庫であり、漁具・漁網の干場であり、出漁準備の作業場でもあります。魚の料理場や干物の干場にもなります。
昔の舟屋は藁ぶきで、板や土の壁はつくらず、わらや古縄を下げた風通しのいい造りになっており、二階も低く床板をはらず、足場板を並べただけのものでした。*1
【参考文献】
*1 和久田幹夫:舟屋むかしいま(あまのはしだて出版,1989)P.4-P.8