松川二郎全国花街めぐり誠文堂1929
浅草
主な料理待合 ここの料理店は、草津、一直(なほ)、松島、大金を俗に「四軒」と称(とな)えて、代表的料亭とされていた。これに萬梅(まんばい)が加わって元五軒茶屋と呼ばれたのが一軒減って四軒になったのであるが、一直、草津はもともと宴会向きの家で、松島は震災前からすでに格が落ちたと伝えられ、」ひとり田圃の大金のみがわづかに「古い浅草の、たそがれのような落ち着きと雅びとをみせてい」たが、それも今はなくなって屋号だけは同じ名のがあるが、以前のそれとはにてもにつかない家である。