新人物往来社江戸史跡事典 下巻谷根千地区・文京区・台東区・墨田区・江東区・荒川区・葛飾区・江戸川区新人物往来社2007
おいてけ堀・本所七不思議

P.133
この堀はよく魚が釣れたところだったが、夕方になって釣り人が帰ろうとすると、堀の中から「おいてけ」「おいてけ」という声がする。そのまま帰ると、途中で釣った魚がなくなっていた。それで「おいて堀」と呼ばれた。「魚と伝説」(新潮社)の著者末広恭雄教授によると、これはなまずの親戚でギバチという魚のことはないかといい、矢田挿雲(そううん)「江戸から東京へ」は「声の主は狸」(第五巻)として狸の恩返しで仇討ち話に作られている。

この文献を参照している記事

錦糸町(おいてけ堀)河童の石像。魚・狸説。