上野原町誌編纂委員会上野原町誌 下上野原町誌刊行委員会1975.7
娯楽施設
映画館・劇場等

P.786
大正館
大正元年(1912)に建設。水越福太郎、他14人により株式組織として発足した。当初は寄せとしての機能を果たし、映画のほか、講談、浪花節、落語、義太夫、びわ歌などの演芸も行われている。その頃の映画といえば、「目玉の松ちゃん」などが活躍する時代劇(チャンバラもの)が中心。時には新派劇もあった。観客の層は子供から年寄りまで幅広い。青年男女にとっては数少ない交際の場ともなっていた。当時の観客は、あたかも芝居でも見ているように、スクリーンに向かってヤジを飛ばしたり、拍手をしたりするのが常であった。まだトーキーのない時代のため、スクリーンの横手で弁士が映画説明をした。また、楽団によって映画音楽が演奏された。

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上野原(大正館)大正元年に建設。木造2階建。ファサードはモルタル塗り。