三津浜には、稲荷新地と呼ばれる遊廓がありました。場所は、旧お船場(現、住吉2丁目11)で、現在は住宅地や工場用地となっています。現在は埋め立てられていますが、当時は、この写真の道路部分(写真右側)は運河でした。*1*2
三津浜には、十軒茶屋と称する花街が住吉町にありました。伊予鉄道の三津駅が出来てから住吉町は賑わうようになり、貸座敷も開業されましたが、風紀上の理由から稲荷新地に移転し、三津の遊廓となり、大正から昭和初年が最も盛大でした。*3
こちらの寿司屋の付近までが、遊廓があった場所だったと思われます。*1
遊廓内には、稲荷神社があり、よく信仰されていました。*3
古地図*2 によると、稲荷神社があった場所は、内港へ向かうこの通りの東側(写真右側)です。
旧地名の名残と思われる「稲荷」と書かれた電柱のプレート。同じ場所に、「シンチ」と書かれた電柱もありました。
【参考文献】
*1 しあわせづくり三津浜地区推進委員会:三津浜ふるさと散歩道(しあわせづくり三津浜地区推進委員会,1999)P.6
*2 松山市立中央図書館:御津の歴史移り変わり「三津濱町図」
*3 三津浜郷土史研究会:三津浜誌稿(三津浜郷土史研究会,1960)P.37