麻布十番の古川の東側に広がる住宅街の路地の突当りに銭湯の小山湯があります。
小山湯は、大正十年建築の都内で一番古い銭湯でしたが、平成18年に廃業しました。屋号の小山湯は、かつてこの地が三田小山町と呼ばれていたからと推察されます。*1
入口が独立して付属している構造は、他にあまり類を見ない様式です。*1
2階部分の装飾が見事です。花街の建築を見ているようです。
東京に宮造り銭湯が登場したのは、大正12年の関東大震災の復興期なので、小山湯は、それ以前の建築様式で建てられました。*1
銭湯脇の石段を登ると、煙突が見える場所に出ます。
【参考文献】
*1 町田忍:銭湯遺産(戎光祥出版,2008)P.53