岡本哲志: 銀座を歩く (学芸出版社,2009)江戸とモダンの歴史体験

P.61 明治の終わりころ、現在のあづま通りと三原通りの間のブロックには、質商「江島屋」の田村藤兵衛が大規模な敷地を所有していた。華やかな銀座通りから一歩入った横丁と裏通りに面していることもあり、横丁には菓子商や煙草商、床屋などが並んだ。質商は、農地解放とともに施工された戦後の財産税でことどとく土地を失い、2つの路地が誕生した。 一つは三原通りから以外からアプローチできない、袋小路の路地だ。路地の前に立つと、半世紀ほど時間が巻き戻ったようなゲート状の看板が出迎える。 もう一つの路地は、三原小路である。