嘉村國男長崎町人誌 第6巻(さまざまのくらし編 住の部 2)長崎文献社
一夜の夢・福田遊廓
P.264 かつて福田の浦には十指に余る遊廓があって賑わっていた。福田遊廓の由来は詳らかではないが、遠く平家の残党がこの地に土着し、生活に窮して遊女に身を落として世を送ったものと言い伝えられる。 大正末期から昭和初期にかけての不景気の波は遊廓をも直撃し転廃業が続出。昭和9年(1934)よりただ一軒、松代屋がのれんを固守していたが、これも経営者の没後遂に廃業し、福田遊廓の灯はついに消えた。