薄野発展史の中で忘れてならないものの一つに豊川稲荷神社があります。明治27年、酒造業者の波多野与三郎が、東海の霊場豊川から商売繁盛の守護神の豊川稲荷の分霊を迎え、誕生しました。
当時の寄進者の名は今なお朽ち果てた門柱や玉垣に残されています。花柳界に勤める女性たちのほとんどは、縁起をかつぎました。
境内には「薄野娼妓並びに水子哀悼碑」があります。
薄野の発展とともに豊川稲荷神社が歩んだ歴史を物語っています。
【参考文献】
*1 熊谷秀一:札幌遊里史考史考(麗山荘,1975)P.42-P.47