銚子市銚子市史昭和31年刊の複製銚子市1981.5
外国商船の銚子浦難破

P.399
怒涛さかまき暗礁乱立する銚子近海は、今もって難破するものが絶えない。これら難破船の中には、少なからず外国船も入っていることと推定されるが、記録に遺るものは僅かである。

円福寺本殿の前庭一隅に「竜王殿」と呼ぶ小堂に安置されている大きな外国婦人の立像は、外国船から脱落し、漂着して拾い上げられたものと見られる。江戸時代のオランダ船の舳(へさき)に取り付けられていた船首像(マスコット、オランダ船には、船首像として自国の偉人や女神を舳に飾る慣習があった)と推定される。

P.402
観音堂裏の花街、田中町一帯に住む娘子軍の信仰を一手にあつめている。祈れば、下の病を治してくれるとか、願うことを叶えるとかいって、暮夜ひそかに詣でるもの後を絶たない。

この文献を参照している記事

銚子(国木田独歩詩碑)「山林に自由存す」の一節が刻まれています。
銚子(船首像)国木田独歩の父が乗船した神龍丸。円福寺。