ジョイフル三ノ輪(三ノ輪町商店街)の中ほどに、区立瑞光公園があります。
商店街と直行する広い道路のような形状の公園です。公園の片隅に案内板があります。(写真右)
江戸時代、この付近には、伊勢の亀山藩石川家の屋敷がありました。明治政府は、屋敷が取り払われた跡地を鴨取場としましたが、追剥ぎなどの犯罪が頻発する物騒な土地でした。そこで、政府は、大正6年、鴨取場を埋めて、「花柳界指定地」にして銘酒屋の営業を許可しました。銘酒屋とは酒類を売っているように見せかけ、密かに売春をしている店のことで、この銘酒屋街は「新開地」と呼ばれ、約500軒の銘酒屋が建っていました。ところが、この銘酒屋街は、開業数ヶ月後、建物だけを残して1軒残らずどこかへ行ってしまいました。土地の人はこれを「幻の銘酒屋街」と呼びました。*1*2
かつての「新開地通り」は、現在のジョイフル三ノ輪商店街です。*2
【参考文献】
*1 三木克彦:北奇譚幻の銘酒屋街(三木克彦,2004)P.1-P.5
*2 東京都荒川区土木課:荒川区土木誌(荒川区,1955)P.50,「荒川区主要道路一覧図」