安井神社周辺には、ラブホテル街が隣接しています。鳥居をくぐって参道を歩いているとすぐ脇がラブホテルです。
北側の鳥居を出ると東側にラブホテル街が連なっています。
待合か料理屋だったと思われる和風の建物の両脇はラブホテルです。
大正期以降、安井神社周辺には雇仲居(やとな)が出入りする貸席街が存在していました。雇仲居については、織田作之助の小説「夫婦善哉」や「それでも私は行く」に描かれていて、雇仲居の仕事は「宴会でお酌をするだけ」「芸もいらない」というのが条件で、「明かし」と称される泊まりがありました。*1
このようにして発展した京都の貸席(待合)ですが、「馴染み客だけの利用を待っていては効率が悪い」と、いち早く同伴ホテルに転業したのが、安井のホテル街の前身でした。*2
【参考文献】
*1 加藤政洋:京の花街ものがたり(角川学芸出版,2009)P.206-P.208,P.251
*2 近藤利三郎:なつかしの関西ラブホテル60年裏のうらのウラ話(レベル,2006)P.31-P.34