今回は、藤沢(神奈川県藤沢市)の町並みを散歩します。
広重の東海道五十三次藤沢宿の版画(江の島一ノ鳥居を遊行寺を背景にして描いたもの*1)に出てくる遊行寺橋際の鳥居は、かつては江の島弁才天の一の鳥居でした。江ノ島参詣に来た旅人にとって「是より江ノ島道」との道しるべになっていました。鳥居は、3度にわたり消失~再建されましたが、3代目の鳥居の礎石のみが遊行寺境内の宝物館の入り口前に保存されています。*2
石材は小松石で、角石の四角を大きく面取って八菱形になっていて、側面の広い面に各三面づつ銘文が刻してあります。*3
明治十四年四月。上己日建。祠官筥崎博之。この銘文によって最後の鳥居は明治14年4月に竣工したことが判ります。*3
世話人 当駅
常陸屋権右ェ門、曼屋又兵ェ、大磯屋市右ェ門、丸屋晃、 青木精也、川邑新七
江の島
紀伊国屋半六……
世話人の中にある常陸屋権右ェと紀伊国屋半六は創建以来の家柄であり、また曼屋又兵ェ以下川邑新七までの五人は藤沢宿時代の遊女屋です。*3