「野菊の墓の碑」から西へ徒歩15分。江戸川が見えてきます。
「矢切の渡し」は、寛永八年に幕府が始めた公営の渡し場で、近郷の木こり、草刈、工作人のみが利用できる渡し船でした。今も残る「観光渡船」矢切の渡しは、都内唯一の渡し船となっています。*1
矢切りの渡しは、小説「野菊の墓」の政夫と民子の別れの場面にも登場します。*2
「船で河から市川へ出るつもりだから、十七日の朝、小雨の降るのに、一切の持物をカバン一個につめ込み民子とお増に送られて矢切の渡へ降りた。」
時刻表などはなく、渡し場に客がくれば一人でも運航します。